top of page

難治性喘息と新しい治療方法

 

喘息の90%は今まで通りの標準治療で症状のコントロールができますが、残りの10%は難治性です。吸入ステロイド療法の普及により,大部分の気管支喘息患者は気管支喘息発作の予防が可能となり,入院患者及び死亡数は激減していますが喘息患者数は増加しています。また,国内の気管支喘息患者の中の約5-10%は,高用量の吸入ステロイド薬による治療を行っていても,十分なコントロールが得られていません。

 

難治性喘息(重症喘息)に対する治療

高用量の吸入ステロイド薬及び内服のステロイドによる治療を行っていても十分なコントロールを得られない患者で、そのほかの合併症(肺気腫、副鼻腔気管支症候群、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症など)がない方が難治性喘息(重症喘息)と定義されます。

最近、気道の炎症を起こす原因であるアレルギー反応を抑える「抗体薬」を使用した治療を1~2カ月に1度行うことによって,今までの吸入薬を使っても残っている症状をコントロールして,

健やかな日常生活を送ることが期待できるようになりました。

2009年には国内初の喘息向け抗体医薬としてノバルティスファーマが抗IgE抗体「ゾレア」(一般名・オマリズマブ)を発売。これに続いて、16年6月にグラクソ・スミスクラインが抗IL-5抗体「ヌーカラ」(メポリズマブ)を、18年4月にはアストラゼネカが抗IL-5受容体α抗体「ファセンラ」(ベンラリズマブ)を、それぞれ発売しました。さらに19年3月には、アトピー性皮膚炎治療薬として販売されてきたサノフィの抗IL-4/13受容体抗体「デュピクセント」(デュピルマブ)も適応拡大の承認を取得。現在、国内では4つの生物学的製剤が重症喘息の治療に使えるようになっています。

重症喘息でお悩みの場合,是非一度ご相談ください。

bottom of page